右手の5本の指の最後、小指です。指全体から見た小指の役割は、バランスの指です。バランスといっても、出番は元に来たときだけです。弓先になった時には小指は必要なく、放して演奏しても全く影響ありません。元にいる時に、弓の先が落ちてしまわないように支えているのが小指です。試しに弓が弓元になっている時に、小指を放してみてください。弓の先が落ちようとして、弓の直角を維持するのが大変な事が解ると思います。

 小指が弓に触っている所は、人それぞれ小指の長さが違うので、場所は異なってくると思いますが、出来るだけ浅い所を触ってください。その事によって、手の甲が左45°位の方向を向く事になります。

 その次に、小指に関して特に注意して欲しい点があります。 前々から、5本の指が弓と接触している所は、変えないでと書いてきましたが、特に小指にその傾向が顕著に表れます。つまり、そのバロメーターが小指なのです。

 ボーイングに関して考え直した方がいいのではないか、と思われるベスト1が、(UP Bow) と (DOWN Bow) の持ち方を、知らない間に替えているという事です。後のボーイングのフォームの所で詳しく書きますが、簡単に言うと UP と DOWN で小指が弓と接触している場所が変わっている、動いていると言う事です。特に(UP Bow)で元弓に近くなった時や、元弓でターンする時に、小指がフロッグの方向にずれていないでしょうか?

 弓のターンを、手首ですると思っている方は特にそうです。人差指、中指中心で弓を持ち手首でターンすると、ほとんど小指はずれてしまうか、直角で弾けなくなります。もちろん、他の指も接触部分が動いているのですが、小指に顕著に表れます。

 弓は人間が使う道具の1つです。人間が道具を使う時に、道具と人間の皮膚の接触点を動かすという使い方は、僕の知っている限り有りません。今書いているシャープ、お箸、包丁、のこぎり、ラケット、クラブ等々。その他の人間の部位は動きますが、接触点(面)は動かないのです。ですから、小指の接触点を変化させないで下さい。

 小指がピタッと弓についていると、小指は(UP Bow)では伸び≪写真 10≫、(DOWN Bow)では曲がります。≪写真 11≫


          


          



 小指が伸びたり曲がったりしていいのです。この持ち方をしていると、弓元のターンの時に弓先がぶれて円を描いて直角を外し、その結果、音色や音量に変化を与える事は激減します。試しに弓元のターンの時、弓先を見て下さい。ぶれていませんか?どうぞ、小指の接触点(面)を動かさないで下さい。


Yoshihiro Yamazaki
2001.12.1.