08. ボーイングのメカニズム ①

あけまして、おめでとうございます。
このコラムをはじめて、初めて新しい年を迎えました。今年もボツボツ書いていきます。

前回までは、主に弓の持ち方について書いてきましたが、今回からはボーイングのメカニズムについて書いていきます。前々から書いていますが、ボーイングで大切なのは、① 弓と指の接触点を動かさない事(接触している角度も含めて)、② いつも弦に対して直角に接している事、の2点です。

人差し指から小指までをコラムで説明しているように持ち、ボーイングの弓元のスタート位置に、弦に対して直角に構えると 《 写真 12 》 の様になります。

ここで注目して欲しいのは、手の甲の向きです。最初の何回かのコラムでもふれましたが、手の甲の向きが左、ほぼ45度を向きます。

《 写真 13 》はチェロを弾く時の目線でボーイングする手を見たところです。思っているより左側を向いていると思います。そして、ボーイングの[メカニズム-①]としては、その甲の向きを変えないでボーイングする事なのです。ボーイングで絶対に譲れない大切な要素の1つに、直角に接し続けるという事がありますが、この手の甲の向きを変えない事によって、弓の直角が保てるのです。

弓と指の接触を変えずに、又手の甲の向きを変えずにボーイングすると、結果として直角が保証されます。 《 写真 14 》《 写真 15 》

とても単純な作業をする事になると思います。こんな単純でいいのかと思われるかもしれませんが、実はボーイングの動きの基本は単純なのです。多くの初心者の方の問題点は、弓の返しにあります。僕は〝はしか〟と言っているのですが、チェロを勉強してしばらくすると、素早い・スムーズな弓のターンをしないと、上級者の仲間入りが出来ないみたいに思って、だいたい〝はしか〟にかかってしまうのです。

弓の返し方の誤解から、ボーイング全体を複雑にしています。まず、(弓との接触のしかたを変えない) (手の甲の向きを変えない) の2点をまず、基本中の基本として身につけて下さい。最初は、本当に初心者に逆戻りしたように、抵抗があるかもしれませんが辛抱です。

ターンの時も、慌てず騒がず、何もしないでスッとターンして下さい。複雑なターンはターンの時、結果として直角を外し、音色の変化・音量の変化をもたらします。ボーイングに関して新年にあたり、しばらく初心にかえって勉強してみてください。

Yoshihiro Yamazaki
2001.12.29

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