14. 重さを感じる練習
どんな机でもいいですから《 写真 24 》の様に、右腕を肘まで含めて机の上に乗せて下さい。
リラックスして、腕の重さを全部机に乗せてしまいます。左手で右肩の筋肉を触ると、ゆるゆるして緊張していないと思います。その状態で、肘だけを持ち上げてください。《 写真 25 》
決して、肩を上げようとしないで下さい。肘だけ上げようとすると、肩のゆるゆるはそのままで、重さが手首にかかってきます。ちょうど、肘を上げて肩と手首に橋がかかったような状態、上腕部の下側の筋肉が緊張して、張っているので、肘の関節が固くなっていますが、体を机から近づけたり遠のいたりして、腕が伸びたり縮んだりしても、手首にかかっている重さは変わらず、肘は緊張したまま動くでしょ。
この体験がスムーズに出来るようになったら、今度は肘と手首を持ち上げて、重さを指の付け根のラインに運んでください。《 写真 26 》
相変わらず、肩の筋肉はゆるゆるですが、肘と手首の関節は緊張しています。指の付け根のラインに、腕の重さが運べましたでしょうか? 実際に弓を持ってボーイングしている時と、ほぼ同じ状態です。付け根のラインの中でも、中指の付け根が重さが集中する所です。
「腕の重さを使ってボーイングする」 と言うと、イメージ的には肘とか手首の関節の力を抜いて・・・となりますが、実は逆で、肘と手首の関節は、ある程度緊張していないと重さが先に先に指の方向にと運べないのです。その重さを伝えるために緊張している関節でも、関係無くボーイングが出来るように動きます。
そして、重さの大きさを決定しているのが、ゆるゆるしていた右肩の筋肉です。ゆるゆるしていれば ( ff ) 、腕全体を持ち上げて肩の筋肉がパーンと張れば ( pp ) なのです。つまり、( ff ) から ( pp ) まで自由自在に出来るのは、肩の筋肉の緊張度のコントロールなのです。
いかがでしたでしょうか? 来月は柔らかさと重さの合体です。
Yoshihiro Yamazaki
2002.7.1