28. スピッカート ②

僕が書いている弓の持ち方は、手の甲が左に45度位を向いているのですが、理由は2つあって、1つは弓のターンがしやすいようにと、もう1つはこのスピッカートの為なのです。

《 写真 4 》とか《 写真 5 》の様に、手の甲が左を向いていればそのまま、スピッカートが出来ます。左45度位に向いた手を、手首が向いている方向に、おいでおいでをするように、早く振ればいいのです。

青い線の間をはみ出さないように、黄色い矢印の方向にリラックスして早く振って下さい。《 写真 37 》

チェロの弓を持つ右手の、スピッカートの動き

その時、小指は離してください。スピッカートに小指は必要ありません。スタートは弓を弦の上に置くところから始めます。空中からぶつけてスタートしないで下さい。

次にくすり指を意識してください。 (【06. くすり指は弓の面を決めます】を参照)弓の面がぐらぐらしていると、安定して飛びません。くすり指で弓の面を意識しましょう。弓の面がぐらぐらしている初心者はとても多いです。かといって、強く持つわけではありません。指と弓の接触点がずれなければ、いいのです。

そして、スピッカートは弓の中央より少し先の部分にで行います。弓のバランスによって多少違いますが、だいたい弓の中央より少し先に、ポイントがある場合が多いです。その長さ2,3cmのポイント以外では、どんなに正しいスピッカートの運動をしても絶対に飛びません。

分からなかったら、スピッカートの運動をしながら少しずつ弓を移動してみてください。飛ぶポイントにきたら、突然飛び始めます。その場所を覚えてください。また、その場所はスピッカートの早さによっても少し移動します。遅めのスピッカートはより手元に近い所がポイントになります。

振り方ですが、最初はエンピツとか棒とかを持って、練習してください。エンピツの先が安定して45度位に残像を残しますか? その時、手首だけを振ってはいけません。エンピツの事は忘れて、腕全体で振って下さい。

これが最大のコツです。腕全体で振ると、意識しなくても末端の手首は勝手にぶるぶる動きますよね。時々、指なんかをぶつけた時、痛くて思わず腕全体をぶるぶる振りますよね。あんな感じです。

スピッカートは動きとしては単純なのですが、感じが説明しにくいです。来月、もう少しスピッカートについて書きます。

Yoshihiro Yamazaki
2003.9.4

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