35. 姿勢 ①

このコラムを書き始めた動機は、右手の事を書きたかったからです。

34回もよく書いたものだと思いますが、読み返してみると気持ちが先に行ってしまって、下手な文章もあって、読んで下さった方に、ちゃんと伝わっているか心配になります。大体僕が言いたかった、右手の事を書いたので、ここらでコラムを終わりにしようと思っていたのですが、普段生徒さんたちをレッスンしていて、感じる事をもう少しだけ続けようと思います。

まず、チェロを弾く構えです。一般のチェロの指導書なら、まず最初に書かなければならない事柄ですが・・・。初心者のほとんどが、共通している事は体が正面を向いていないという事です。必ず左肩を引いています。なぜならその原因は、左ひじが低いからです。左ひじが低いと、いろいろな障害が出てきます。初心者に見られる諸悪の根元が、この左ひじの低さに潜んでいると言っても過言では有りません。

① 左ひじが低いと、腕の重さが弦に乗せられないから、どうしても親指で握らざるをえない。注)親指の形 チェックしてください。右手の親指と、同じ形で《 写真 1 》ネックに接触して下さい。親指の第一関節を、反らせないで下さい。そして、くれぐれも接触です。親指で、しっかり握っている人が多いです。

② 左ひじが低いと、第4ポジションより高いポジションに移動する時、左ひじの高さを変えなければならない。本来、楽に高いポジションが弾ける位置に、左手のひじがいるのが正しいのです。

③ 左ひじが低いと、指が常にねてしまって、隣の弦に指の腹が触ってしまいます。重音も弾けないし、高いほうの開放弦も弾けません。

④ 左ひじが低いと、正しいビブラートがかかりません。ローリングさせて、こねるビブラートになってしまいます。

どうでしょうか? 思い当たる事がありますか?

Yoshihiro Yamazaki
2004.6.5

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