43. ポジション移動 ③

1の指のスケールは、ポジション移動の基本をマスターする為に、とてもよい練習方法なのですが、もっと大きな目的をもった練習にもなるのです。

というか、この1の指のスケールこそ、左手全体の上達の基本と言っていいのです。
左手の音程のとりかた、左手の上達の基本は “そのポジションの形を確立する” なのです。
初心者の方は、とれない音があると、他の指の形は無視して、その音だけをとりにいく人がとても多いのです。

ちょっとまってください。
ちょっと考えなおしてください。
例えば、サンサーンスの白鳥の弾き始めて、4小節目のHの音をとるのが難しい人がいるとします。FisからHのジャンプが、大旅行のジャンプのように思っていませんか?

実は、お隣さんに行けばいいだけの話です。
Fisの3指からGを1でとってください。半音あがるだけです。そして、2をAでとれば3の指はHになります。

この第6ポジションの (G・A・H) の (1・2・3) の形が確立していれば、 Gの1の指をとる事によって、Hは自然にとれるはずです。このポジションは広いので、ちょっと大変ですが、Gの1の指をとる事によって、 第6ポジション全部をさらっているのです。
左手の進歩が数倍早くなります。

練習方法としては、Fisの3指からGの1の指をとる練習をした後に、Fis 3 → G1 (話さないで) → H3 というように練習します。もちろん2指も同時です。
こういう練習は、今後の為になります。

したがって、1の指のスケールは左手の基礎中の基礎と言えます。ポジション移動と一緒に、1指の位置を固めるという意味で 《 図 7 》の様な練習をしましょう。
全部1指で弾いてください。

話が変わりますが、僕は時々生徒さん達と僕の家で飲み会をするのですが、その時の話の中で 生徒の一人Tさんの奥さん (バイオリン) が『メニューインの練習の中に、1指のスケールがある。』とおっしゃったのを聞いて、ドキッとしたと言うか、やっぱり考える事は同じなんだと、 意を強くしました。

もちろん僕はそれを聞くよりずっと前から1のスケールは生徒さんに練習させていました。
どうぞ、1の指のスケール練習してください。
これはまだバリエーションがあります。

Yoshihiro Yamazaki
2005.12.9

前の記事

42. ポジション移動 ②

次の記事

44. ポジション移動 ④