55. あれぇ 右手と左手ってそっくりじゃん (手首の高さ)

右手も左手も手の甲の向きに注意しなければなりませんが、関連してもう一つ注意点があります。

それは手首です。

まず右手。
手首を低く落としてボーイングしないで下さい。《 写真 59 》
手首を低くすると、右腕の重さが弓に乗らないのです。

チェロの弓を持つ右手の、手首が落ちてしまっている様子と正しく持てている様子

どうしても手首の下がってしまう方は、肘の高さをチェックしてください。
肘が高すぎると手首が下がってしまいます。
肘をいつも低くと注意していると手首が上がり、腕の重さが弓に伝わります。《 写真 60 》

チェロの弓を持つ右手の、肘から手首まで

そして左手。
左手の手首が下がっていると、いろいろ不都合が生じてきます。まず、左手の腕の重さが右手と同様に指先に乗らないのです。そう、左手も右手同様に腕の重さを利用しているのです。

初心者の方が左手の親指でぎゅーっとネックをつかんで弾いていますが、そんな時は手首の高さをチェックしてください。左腕の重さを使えていないから握ってしまうのです。

そんな人は同時にやはり左肘の高さもチェックです。
左肘が低いと右手同様に腕の重さが使えずネックにぶら下がったような格好になり、親指がしっかりネックにしがみついています。《 写真 61 》

左手は肘の高さと手首の高さが両方必要なのです。肘が上がっていても《 写真 62 》はダメです。

正しくは手首から腕は真っ直ぐで、かつ肘は高くして下さい。《 写真 63 》
この事は更にもう1つの事への重要な要素になるのです。

チェロの弦を押さえる左手の、手首と肘の関係

Yoshihiro Yamazaki
2013.1.10