ポジション移動とかも含めて、とてもとてもいい練習方法があるので、その話から始めます。
それは、1の指だけで弾く練習方法です。
例えばA線でオープンAから弾き始めて、Hから1の指だけでスケールをしてEまで往復してみましょう。
最初は、全部弓を返してゆっくり左手の神経を集中しましょう。

 その時、次の事を注意して下さい。
指が移動する時、必ずひじを先行させ、左手がしなるようなイメージで遅れて1の指を移動すること。
正確に言うと、ひじがまず次のポジションをとってから、そのひずみのエネルギーで遅れて1の指が移動する。ひじが止まっていて、指だけ移動するよりはるかにスムースに指が動きます。
全てのポジション移動はひじが先行する事を、最初ははっきり意識して行ってください。
例えば、ちょっとしたポジション移動の時、移動した先の音程が不安定だと思った時、ひじの動きをチェックして下さい。解決する場合が多いです。

 その次です。
同じ1の指のスケールですから、移動する直前に押えていた力をいったん緩め、移動先でスッとまた押え直すという練習にもなります。
左手はスポーツです。くりかえし練習してください。

 この1の指だけのスケールはまた、親指で強く握って弾いている人にも、すごい効果があります。
この練習は次々にポジションが移動するので、左手の親指が握っている暇が無いのです。
同じポジションで長く弾いていると、どうしても親指で握ってしまう人は1の指のスケールで握らなくても
押えられるんだ、という事を自覚して欲しいのです。

 そして今月の最後にもっと重要な事を書きます。
それはポジション移動は葉っぱの先にたまった、綺麗なしずくがポタッと落ちるあのスピードと力みの無さが理想なのです。
ポジション移動の早さは引力でしずくが落ちる早さで、それより遅いと途中の移動中の音が聞こえグリッサンドになってしまいます。
また、早ければいいというものでもありません。
早すぎると、行った先で衝撃音が伴ってしまいます。
A線だけに限らず、色々な弦で、またスケールだけでなく1の指であっちこっち遊んでみてください。
そして、慣れてきたら是非ポジション移動をスラーで弾いてください。
もっともっともっといい練習になります。

そして、この1の指のスケールは他にも、もっとすごい効果があるのです。
それは来月書きます。
Yoshihiro Yamazaki
2005.11.2.