50. 同じ指の移動

ポジション移動が同じ指の場合を説明しましょう。

ポジション移動の中では、指先が弦に触っていて離れないので、比較的安心して移動できるパターンですね。
でも、いくつか注意しなければいけない事があります。
指がポジション移動する時には指先は弦を触ったままで、移動中は押える力を緩めてください。ほとんど触っているだけにします。

もし指先が弦を離れると、その瞬間Open弦が鳴る可能性があります。
ですから、指先は弦を触ったまま目的の音程の所で押え直して終了します。
強く押えたまま移動すると、音程が変化する経過音のグリッサンドが出てしまいます。
そこで、押えている指を緩め、移動しやすくする為のいい方法があります。

チェロを弾く左手の、ポジション移動をする時の動き

《 写真 54 》の黄緑色い線の運動をするのです。
矢印の方向に円を描くように運動すると自然に押えている力が抜け、ひじのエネルギーを使ってびっくるするほどスムーズに移動ができます。

とりに行く指が違う場合でも、この円運動はとても有効に使えるので是非習得してください。
音程が上がる場合はこれでいいのですが、下がる場合はたぶん手の構造の違いだと思いますが、指が伸びて引きずりおろす感じです。

チェロを弾く左手の、音程が下がるポジション移動する時の手の動き

《 写真 55 》この場合親指は先行して移動してポジション移動をスムースにして下さい。この親指の先行は、指が違った場合でも出てきますので、ここでよく習得しておいてください。

Yoshihiro Yamazaki
2007.7.19