12. ターンの練習

連休谷間の会社の仕事は、なんとなくボッーとしてしまいます。さて、ボーイングのターンは理屈では説明が出来ても、感覚の問題なのでうまく表現が出来ない (特に、指の付け根のオレンジのラインの感覚で) ので、練習方法を今月は書きます。

ターンの時に、オレンジのラインと弓の関係を変える事無く、一瞬遅れてターンする動きは、先月も書きましたが、意識的にずらすのではなくて、弓の摩擦による抵抗によっておきるものなのです。

チェロの弓を持つ時の右手の動きを机の端で確認する、アップボウ
チェロの弓を持つ時の右手の動きを机の端で確認する、ダウンボウ

《 写真 22 》の様に、机でもテーブルでもいいですから、その端の直線 (白いライン) を弓を弾くラインに想定します。親指はサイドに軽く当てておいて、オレンジのラインと、白いラインとの角度を変える事無く動かします。

その時、人差指から小指までの4本の指の先は当然机に触っています。その動きの最中、オレンジのラインの指の付け根の感覚は、決して固くしないで、ニュートラルの状態にしておくのがコツです。そうして、Up から Down のターンをしようとすると、4本の指先は Up 《 写真 22 》とDown 《 写真 23 》では、かなりズレルのがお分かりでしょうか?

その感覚こそが、意識的にずらすのではなくて、指の抵抗によっておきるものなのです。この感覚を机の端で覚えて欲しいのです。実際に弓を持ってターンしても、同じような感覚でターンできたら本物です。そのズレは、抵抗が大きければ大きいほど (重さがかかっていればいるほど) 大きなズレが生じます。

手の甲を真上にして持っていた場合、ターンの時人間の指は真横にはズレにくいものです。手の甲を左45度位に向けて、なおかつ浅く持つ事によって、ターンの時スムーズにズレが生じやすくなります。ですから、手の甲を左に向け、弓を浅く持つ事の意味はここにあります。

浅く持つ事のもう1つの意味は、腕の重さが加わった時、その〝重さ〟を支えてくれるショックアブソーバーの意味も持ってきます。もう1つの重要な要素です。

来月はその〝重さ〟についてコラムします。

Yoshihiro Yamazaki
2002.5.1