2003年7月1日 / 最終更新日時 : 2021年8月26日 ゴーシュ
26. スタッカート
先月に続いて、スタッカートの話です。
先月の最後にスタッカートは〝蛙が跳んでいるような動き〟と書きましたが、もう少し詳しく書きます。先月の《 図1 》の動きは、Down Bow の動きですが、連続して Up Bow の動きを加えると、Down と Up は《 図4 》の動きになります。
繰り返し言いますが、この止まっている時が最下点だという事を、体に覚えさせてください。実際に色々な所でこの事が役に立ちます。
そして、このスタッカートが Down や Up で一方向に連続して行うのを〝スラースタッカート〟あるいは、〝ワンボースタッカート〟と言います。
もちろん、奏法はスタッカートと同じで、それが一方向に連続して弾くだけです。動きを図にすると《 図5 》のようになります。
この動きから〝蛙が跳んでいるような動き〟と表現したわけです。今はやらないそうですが、〝うさぎ跳び〟(ずいぶんやらされました) 、この動きにも似ていますね。
そして《 図6 》が、この奏法のかくし味です。
横の線、すなわち弦に弓が接触した所より下の部分 (黄色) の動きが〝スラースタッカート〟をスムースにする動きです。
停止した時が、一番低く弦を噛んでいて、そこから斜め上方に飛び上がる、その連続した動きを一方向にスムースにするかくし味が《 図6 》の線 (弦) より下の動き (黄色) なのです。試してみてください。
Yoshihiro Yamazaki
2003.7.1