30. スピッカート ④

今月も遅くなって申し訳ありません。

お店にご来店のお客様何人かに、スピッカートの事を尋ねるとスッピカートの意味があまりピンときていないような気がしました。日本語では〝とび弓〟でしょうか。その〝とび弓〟のとびの速さは、1秒間に4回前後の腕の振りをするのが一般的な速さです。スピッカートをやりやすい速さというのがあって、遅いテンポだときつい時があります。

さて、先月お話した〝スピッカート必殺体験〟の方法を書きます。【28. スピッカート ②】の《 写真 37 》は腕の振りがボーイングに対して45度でしたが、単にスピッカート、すなわち弓をジャンプさせるだけでしたら、《 写真 38 》のように、手首を時計回りに回してみます。

スピッカートを体験できる、チェロの弓を持つ右手の動き

すると、45度に腕を振るより簡単に弓は飛び始めます。これは、実際の演奏では使いませんが、とびの体験は出来ます。

弓が弦の上でジャンプする感覚をつかんでください。時計回りとは逆に、反時計回りの腕の運動でも弓は飛びます。この運動の方が、実際のスピッカートの運動に近いものとなります。お試しください。

Yoshihiro Yamazaki
2003.11.5

前の記事

29. スピッカート ③

次の記事

31. 弓先に重さを乗せる