まず、普通の半音づつとっている普通の形 《 写真 50 》から、1の指を半音下げる形《 写真 51 》、これを僕は通常、【単身赴任型】 と呼んでいます。
これは、比較的難しくないと思います。
ただし、手首をちょっとひねった形で押えていないで、真横から手の甲を指板と平行にとっている人にとっては、1と2は真横に広げなければならなくて、辛いかもしれません。手首をちょっとひねって押えていれば、指間隔 (1と2) を広げるのではなく、1の指を伸ばすだけでいいのです。
ここに、手首はちょっとひねった形で押える理由があります。ちょっとひねった形で押さえていれば、拡張の形は1の指を伸ばすだけでいいのです。例えば、1stポジションで1の指先が下を向いていた形を、指先が自分のほっぺを指すように伸ばすだけでいいのです。
この時、左手全体を見ると、動いたのは1の指だけなのです。拡張という日本語に惑わされて、1と2を広げなくてはと先入観で思い込んでいる人は、今日から拡張ではなく1指の曲げ伸ばしの形と思い直してください。
1の指を広げようと、手首のねじりをきつくしたり、手首をおとしてひじをあげたりする事は一切しないで下さい。静かに1の指を伸ばせばいいのです。1の指が動いただけで、2. 3. 4 の指は指板上で弦を押さえていますから、動きようが無いので、安定しています。それだけで、【単身赴任型】の拡張は完成です。
次回は【家族移動型】です。これが、ちょっとくせ者なのです。