45. ポジション移動 ⑤

はや2月も半ば、年々月日が経つのが早くて…さて、ポジション移動、最後です。

1の指だけのスケール《 図 7 》1の指による第7ポジションまでのあらゆる移動《 図 8 》に続いて総仕上げです。

チェロを弾く左手の、ポジション移動仕上げの練習譜面

譜面は4/4になっていますが、便宜上に書いただけでテンポで弾く必要はまったくありません。ゆっくり、しっかり形を作る事に主眼を置いてください。

まず【A】の部分は、今まで勉強した1の指のポジション移動です。

【B】の部分で、このポジションの形を確認してください。この場合、拡張の形ですから、しっかり大きさと形を 1. 2. 4. 2 と確認して下さい。それから、押えた指は次に離す時がくるまで、弦の上に置いたままにしてください。決してピアノのように、すぐ離さないで下さい。

それから【C】です。 【C】は1の指の下りの移動です。やっぱり、ひじを意識した移動を行なってください。

そして、いよいよ【D】です。このコラムの1番大切な部分です。今まで勉強してきた集大成です。1の指のHから、ひじを意識して4の指でEをとりますが、その時全て同時に、1=C、2=D、3=Dis 、4=E と拡張の形をとって下さい。形と大きさは、さっき確認したばかりですから、その再現です。その再現を同時に行なうのが大切で、実際にチェロを弾く時に、左手はいつもこの積み重ねです。

4の指を押えた時に、低い位置にある1. 2. 3 の指は各自の指の位置で押えられてスタンバイ しているというのが重要です。2小節以降は同じ要領で弾いてください。4. 5. 6 小節目は、1. 2. 3 という指使いですが、2. 3 と押えた時に1の指が動かないように 注意して下さい。レッスンをしていても、この時1の指が動いてしまう生徒さんはとても多いです。

最後の小節はおまけです。〇は親指の事で、親指がAに出てきます。ハイポジションの入口です。親指が出る事にも、ちょっと挑戦してください。

Yoshihiro Yamazaki
2006.2.21

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