49. ポジション移動の3つの原則 ③

③ ポジション移動はポジションをとりに行く

ポジション移動してとりにいく音は、必ず何かのポジションに属しています。
例えば、A線で 1st ポジション①の指、Hの音から同じA線で 4th ポジションGを④の指でとりにいく場合、①指から④指の移動ですが、移動した時に④の指だけ押さえないで下さい。

④の指がGを押さえるのは当然ですが、調がハ長調の場合は③の指はFis、②の指はF、①の指はEを全く同時にとりにいき、同時に押さえましょう。
ハ長調の場合と書きましたが、音が出ている音以外の指は、その調によって違わなければいけないので、注意してください。

初心者の方は、弾いていない指を浮かしている場合がとてもとても多いのです。
もちろん、ビブラートをかけている時は、押さえていない指は浮きますが、ビブラートをかけていない基本的な練習では必ず押さえていない指もしっかり弦を押さえましょう。
チェロの左手の上達のヒケツは弾いていない指がどこにあるかにかかっています。

何故か?
チェロの左手は、ポジションの形というハンコを作る作業なのです。
この場合は、4th ポジションという形と大きさを左手に覚えさせる練習をしているのです。
ポジションの形を作る事によって④の指の練習は同時に③の指、②の指、①の指の練習もしているのです。
空中には音程も形もありません。

そして、なおかつこの最大の問題は弾いている本人が他の指がどこにあるのか自覚出来ない点にあります。
レッスンで生徒を見ていても、①の指、あるいは②の指が浮いている場合と弦に触っていても、フラフラ動く場合がとても多いのです。

僕が浮いている事を指摘して、初めて気が付くのです。
弾いている最中に、時々止まって自分の指がどうなっているのかチェックしてみてください。

もう一度言います。
チェロの左手の上達のヒケツは弾いていない指がどこにあるかなのです。

Yoshihiro Yamazaki
2007.5.2

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