52. 指番号が上向きで減り、下向きで増える ー せっかちな面々 ①

この移動は指が逆にクロスするのでクロースる・・・なんちゃって。(スイマセン)

3つのポジション移動の中では、しっかりした考え方と技術が必要です。
例として《 図 11 》の楽譜をとりあげて解説してみます。

音としてはシ、ド、レ、ミ、ファ、ソ、ファ、ミ、レ、ド、シのスケールで、指使いは124、12421、421 とします。

つまり、1st ポジションから 4th ポジションの往復移動です。シ→1、ド→2でレ→4となり、4th ポジションに移動しようとする時、【47. ポジション移動の原則①】のとおり、ひじが「移動しようよ!」とすぐに動き始めます。

するといままでの仕事を終えた1、2、3、の指達も「そうだ!そうだ!早く 4th ポジションに行こう!」と、まだ4の指がレを押さえて仕事中なのに集まってきます。《 写真 56 》

チェロを弾く左手の、第4ポジションに移動する時に指が集まる様子

せっかちですね。この時の注意は集まった若い指達は弦を離れない、という事です。若い指番号 (この場合は1の指) は、次の瞬間すべての大きい指番号を押しのけて、4th ポジションのミの位置に行かなければならないのであせっているのです。

このせっかちな動きがこのポジション移動のキーワードです。【49. ポジション移動の原則③】のとおり、1は無事 4th ポジション移動しました。もちろんこの時のイメージは葉っぱの先にたまったきれいな雫がポタッと落ちるイメージです。

4th ポジションに移動してからはファ→2、ソ→4、ファ→2、ミ→1となり、いよいよ 4th ポジションから 1st ポジションです。

いよいよ、行きはよいよい帰りはこわいが待っています。

Yoshihiro Yamazaki
2007.12.15