09. ボーイングのメカニズム ②

毎月1回のペースで書いていますが、だんだん1ヶ月が過ぎるのが早く感じられるようになってきました(たぶん、年のせいだと思います)。

【ボーイングのメカニズム ②】としては、特に弓の先にきた時の注意点をあげたいと思います。

元弓では、しっかり手の甲が左を向き、そのままその方向を変えないでボーイングするのですが、弓の先になるにつれて、知らず知らずに手首が落ちている場合が多く見られます。《 写真 16 》

弓先に行くにつれ、チェロの弓を持つ右手の手首が落ちる様子

これは、よほど注意深く手の甲チェックしていないと、分かりずらいものです。

この手首が落ちると、どうなるかといいますと、また後のコラムで書きますが、先弓で腕の重さが矢印の方向に抜けてしまって、弓に伝わらないのです。したがって先弓に来ると、人差指の出番!!

でしゃばりの人差指が、親指をテコの基点として押さえつけて、音量を出そうとします。腕の重さではなく、人差指が弓を押さえつけての音量となります。腕の重さがしっかりと、先弓でも弓に乗るためには、手首を落とさないで下さい。《 写真 17 》

弓先でも音量を落とさない様、手首を落とさない形のチェロの弓を持つ右手

(腕と指)、(指と弓)の連結がしっかりして、重さが弓に乗るのです。たったそれだけで、先弓の音量は保証されます。たったそれだけの事を、習慣づけて下さい。

Yoshihiro Yamazaki
2002.2.1

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